ガマの出現!2008/10/31

掘削底面に現れた「土砂を伴った砂の噴き上がり現象」を「ガマ」と呼びます。
聞き慣れない単語ですが、専門用語(業界用語?)です。

写真中央に丸いクレーター状に見えているのが「ガマ」です。
中央部からボコボコと砂と地下水が噴き上がっています。

「ガマ」は盤ぶくれ現象の前兆現象です。

通常、盤ぶくれ現象といえば難透水層(シルト層、粘土層など)の直下に被圧滞水層
がある場合を想像しますが、この場合は、難透水層ではなく、透水性の小さな砂質土
層(細砂層、シルト質砂層など)の存在が原因です。

掘削工事の進行によって層境面における荷重バランスが(土被荷重:地下水揚圧力)
崩れると、透水性小の砂層を貫通して、透水性大の被圧滞水層から地下水が噴き上が
るのです。

これを放置して根切掘削を行うと、掘削底面全域にガマが発生し、掘削困難に陥るこ
とがあります。
砂層には粘着力がありませんから、このような現象になるのです。

土留壁付近でガマが現れたらボイリング現象の疑いが、他の場所で現れたら盤ぶくれ
現象の疑いがあります。
いずれにしても「ガマ」が出現したら要注意です。

土質状況を照査したうえで、必要ならば、ウェルポイント工法、ディープウェル工法
などによる減圧対策や薬液注入工法による止水対策を検討しなければなりません。

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