古井戸出現!2008/11/01

掘削底面に古井戸が出現し、水没しています。

地下水が噴水のように噴き上がっています。

この事例では、幸いなことに、砂を伴っていませんでしたので、釜場に導いて排水しました。

出水状況によっては薬液注入などで止水しなければなりません。

井戸の神様にお詫びするため、神主さんを呼んで、お祓いをすることもあります。

罰が当たると怖いですから・・・。

「現場で実施した土質調査の孔から地下水が噴き出した」などという、お粗末な話もあります。

根切範囲内での土質調査では調査孔へのグラウチング(セメンテーション)をお忘れ無く・・。

井戸の出現によるトラブルは決して珍しいことではありません。

事前に調査し、湧水対策を講じておくことが大切です。

ディープウェル引抜工2008/11/02

ディープウェル引抜状況です。

多くのディープウェル引抜工はバイブロハンマ工法で、計画し、積算されている。

バイブロハンマの仕様は「60KW」である。

私は経験的にφ0.6mの場合、深度20m程度が限界と考えている。

勿論、土質、運転期間などによって条件は異なると思うが・・・。

以下、φ0.6m×24.0mをモデルとして定量的に検討してみる。

■検討条件

ディープウェル口径  D=0.6m
ディープウェル深度  GL-24.0m
地下水位       GL-2.0m
土の湿潤単位体積重量 γt=1.8t/m3
土の水中単位体積重量  γ'=0.9t/m3
静止土圧係数      K0=0.4(密な砂)*
鋼管とフィルタ砂利の摩擦係数 Cf=0.2*
バイブロハンマ(60KW)の起振力 T=48.7t:FM2-80(トーメック)
(*)の数値は「伊藤教授の土質力学講座」より引用した。

伊藤教授の土質力学講座 
http://www.con-pro.net/readings/soil/index.html

■ディープウェルに作用する静止土圧

算定式 p = γt(γ')×H×K0 H:深度

GL 0.0m : p0=0t/m2
GL- 2.0m : p1=1.8t/m3×2.0m×0.4=1.44t/m2
GL-20.0m : p2=(1.8t/m3×2.0m+0.9t/m3×22.0m)×0.4=9.36t/m2

■ディープウェルに作用する静止土圧の合力

算定式 P = D×π×L×p L:鋼管長

P1 = 0.6m×π×2.0m×(0t/m2+1.44t/m2)÷2=2.71t
P2 = 0.6m×π×22.0m×(1.44t/m2+9.36t/m2)÷2=223.82t
P = P1+P2=2.71t+223.82t=226.53t

■所要引抜力(摩擦力)の算出

算定式 F = P×Cf

F = 226.53t×0.2 = 45.31t

■判定

バイブロハンマ引抜力(T=48.7t) > 所要引抜力(F=45.3t) となり計算上はディープウェルの引抜が可能となる。
ただし、鋼管の溶接接続部が引抜力F=45.31tによって破断しないことが必須条件となる。

やはり、ディープウェル口径がφ0.6mの場合、バイブロハンマ工法による引抜可能深度は20m程度が限界のようである。
なお、バイブロハンマの引抜力には十分な余裕を持たせる事が必要である。

このような、検討を行わず、バイブロハンマ工法による引抜工を計画し、積算している事例がある。

ディープウェル鋼管を埋殺にできない場合、他の引抜き工法を採用することになり、多額の金額変更(増額)を伴う設計変更となるだろう。

極めて無責任な計画である。

ディープウェル(海外編)2008/11/03

ブルガリアで活躍されている勉強会会員の方から送られてきたディープウェルの施工状況写真です。

ボーリングマシン、グラウトポンプおよびヤグラをトラックに搭載した「大口径ボーリング工法」のようです。

日本では見かけない機械ですが、文献などを見ると、ヨーロッパやアメリカでは一般的なもののようです。

海外事情を知ることができる大変貴重な写真です。

ストレーナ加工(ディープウェル工法)2008/11/04

プラズマ切断機で口径600mm鋼管にディープウェル用のストレーナ加工を施しているところです。

文句も言わず、黙々と仕事を続けるロボットです。

釜場排水2008/11/05

釜場排水です。

材料はディープウェルのストレーナ管、排水管はサクションホースです。

ドラム缶では強度不足で、移設作業に耐えることができません。

ディープウェル工法によって地下水位低下を図ったのですが、地下水が残りました。

原因は「粘性土の混じった透水性の小さい砂層」の存在です。

写真では赤茶色に写っています。

ディープウェルは力が余って、空気を吸っているのに・・・。

「互層地盤に弱い」という、地下水位低下工法の弱点が露呈した形です。

掘削ノリ面が自立し、崩壊しなかったのが、不幸中の幸いでした。

新オープンシールド工法2008/11/06

新オープンシールドの掘進状況です。

発進直後のため、側面に立坑の土留壁(親杭横矢板)が見えています。

立坑外周部にはディープウェルを設置し、湧水を防止しています。

ディープウェルよって推進区間の地下水位が低下し、掘進作業のドライ
ワーク化が可能となりました。

協会資料によると新オープンシールド工法は滞水地盤下でも施工可能と
のことです。

しかし、水中掘削の場合、土質によっては掘削土が高含水率状態の汚泥となります。

残土処理方法を考慮すると、土質によっては地下水位低下工法の併用が現実的なのかもしれません。

従来型オープンシールド工法との差別化ができなくなりますが・・・。