ディープウェル用水中ポンプの電力使用量について2019/11/18

この資料は、ディープウェル用水中ポンプの電力使用量について、積算値と実績値の比較検証を行ったものである。
使用した水中ポンプは φ150mm×22KW×200V×10台(常時排水) である。

① 三相交流の電力および電力使用量算出式

P = √3 ×λ× E × I
W = P × t
P : 電力 (W)
λ : 力率
E : 電圧 (V)
I : 定格電流 (A)
W : 電力使用量 (WH)
t : 稼働時間 (H)


② 水中ポンプ(φ150mm×22KW)の1時間あたり電力使用量

λ = 1.0 (100%)、E = 200 (V)、I = 81 (A)、t = 1 (H) 上①の式に代入する。

P = √3×1.0×200 (V)×81(A) = 28,059 (W) = 28.1 (KW)

W = 28.1 (KW)×1 (H) = 28.1 (KWH)

※使用電力量を最大値と想定し、力率λ=100% とした。


③ 電力使用量(夜間)の実績

W1 = 93,794KWH (λ=100%) ・・・ 電力会社請求書より転記

運転時間  t = 31 (日)×10 (H/日) = 310 (H)

夜間となる時刻 PM10:00~AM8:00

ポンプ稼働台数  N = 10台


④ 上②を基にした電力使用量の算出

W2 = 28.1 (KW)×31 (日)×10 (H/日)×10台 = 87,110 (KWH)

 
⑤ 下水道用設計積算要領に基づく、ポンプ電力使用量(夜間)の算出

W3 = ポンプ出力(KW)×0.584×揚水運転時間(H/日)×揚水運転日数(日)×ポンプ台数

= 22 (KW)×0.584×10 (H/日・夜間)×31 (日)×10 (台)

= 39,829 (KWH)


⑥まとめ

電力使用量(夜間)の算出結果等を以下に示す。

・実績値(電力会社内訳明細) W1 = 93,794 (KWH) ・・・235%

・ポンプ仕様に基づく算定値  W2 = 87,110 (KWH) ・・・219%

・積算要領に基づく積算値   W3 = 39,829 (KWH) ・・・100%

積算要領に基づく電力使用量積算値を100%とすると、ポンプ仕様による算定値および実績値は200%を越えていることがわかる。

多数の大型水中ポンプを長期間にわたって稼働させると、多額の電力使用料金を支払うことになる。

積算要領に示されている電力使用量算定式中の【0.584】が原因のように思える。

ウェルポイント用ポンプの場合、【0.584】に相当する数値が【0.9】であり、受忍できる範囲なのか?

【0.584】の設定根拠を知っている人がいれば、教えて欲しい!

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