ExcelのVBA(マクロ)は若い内にマスターすべし!2019/11/16

低下水位等高線
ディープウェル設計用のソフトウェアを作ろうと思い立ったのはずいぶん昔のことであった。

とりあえず、マイクロソフトのVisual Basicで作ったが、Excelのような使い勝手の良さを再現することはできず挫折した。

Excelの「データ入力規則」のような動作をVBで作成することができなかったのだ。

しばらく、放置していたが、ExcelのVBA(マクロ)で再挑戦した。

VBで作成したプログラムが流用できたのはラッキーだった。

サンプルデータによるデバッグも終え、ついに不圧井戸モデル版が完成した。(私が思っているだけだが・・・。)

ホームページで公開したが、うまく動いてくれるだろうか?

心配である。

次は被圧井戸モデルの開発だ!

ボケないうちに完成させなければ!

ExcelのVBAは優れものだ。

若い内にマスターしておけば良かった。

「後悔先に立たず」である。

ガマの出現!2008/10/31

掘削底面に現れた「土砂を伴った砂の噴き上がり現象」を「ガマ」と呼びます。
聞き慣れない単語ですが、専門用語(業界用語?)です。

写真中央に丸いクレーター状に見えているのが「ガマ」です。
中央部からボコボコと砂と地下水が噴き上がっています。

「ガマ」は盤ぶくれ現象の前兆現象です。

通常、盤ぶくれ現象といえば難透水層(シルト層、粘土層など)の直下に被圧滞水層
がある場合を想像しますが、この場合は、難透水層ではなく、透水性の小さな砂質土
層(細砂層、シルト質砂層など)の存在が原因です。

掘削工事の進行によって層境面における荷重バランスが(土被荷重:地下水揚圧力)
崩れると、透水性小の砂層を貫通して、透水性大の被圧滞水層から地下水が噴き上が
るのです。

これを放置して根切掘削を行うと、掘削底面全域にガマが発生し、掘削困難に陥るこ
とがあります。
砂層には粘着力がありませんから、このような現象になるのです。

土留壁付近でガマが現れたらボイリング現象の疑いが、他の場所で現れたら盤ぶくれ
現象の疑いがあります。
いずれにしても「ガマ」が出現したら要注意です。

土質状況を照査したうえで、必要ならば、ウェルポイント工法、ディープウェル工法
などによる減圧対策や薬液注入工法による止水対策を検討しなければなりません。

ソイル連続壁からの漏水防止対策2008/10/30

フラットバーによる出隅部の補強状況です。

今まで私が見てきたソイル連続壁出隅部の漏水対策には以下のようなものがありました。

対策1 根切掘削しながら芯材に鉄板(フラットバー)を貼り付ける。
対策2 出隅背面地山に薬液注入を行う。
対策3 芯材頭部を鉄筋コンクリートあるいは鋼材で連結する(頭ツナギ)。
対策4 出隅部芯材の断面性能をランクアップし、土留壁剛性を高める。

対策1は手軽なため、多用されていますが、効果には?マークがつきます。

土留変位が起きた後に、薄っぺらい鉄板を貼付けるのですから、鉄板に多くを期待するのは酷でしょう。

土留変位の大部分は1次掘削時に発生するとも言われますので、予防対策となる対策2~4は投資に見合う効果が期待できます。

私自身、対策2を多く施工しましたが、良い効果が得られました。

懸濁型瞬結タイプの注入材を注入し、土圧低減と注入効果の持続を図ったものです。

15年ほど前、「SMW土留壁+アースアンカー」のGL-20m付近で発生した土砂を伴った湧水を薬液注入で止水したことがあります。

ゲルタイム0秒の水ガラス系懸濁型注入材を使用しました。

地山内でゲル化(固化)した注入材を地下水流に乗せ、クラックに詰め込むため、注入位置は土留壁から1m以上離しました。

土留壁直近に注入すると注入材がゲル化する前に、クラックを通過します。
ゲル自体に強度が必要ですからセメントを含む懸濁型を使いました。

注入作業は増大するアースアンカー引張力との戦いでした。

ソイル連続壁からの漏水2008/10/29

ソイルセメント地下連続壁出隅部分からの漏水状況です。

出隅とは掘削溝内側に突き出したコーナー部のことです。

防水シート貼り、水抜きパイプなどで漏水処理を施しているのが確認できます。

ソイルセメント地下連続壁の弱点は「出隅(ですみ)」からの漏水です。

本体掘削が進行すると土留壁に変位が発生します。

出隅部では土留壁が直交しており、土留壁の変位方向が直交する形となります。

変位方向が異なっているため、出隅部のソイル壁にクラックが発生し、漏水が発生するのです。
上記写真の部位は後日、鉄筋組立時に異常出水し、3昼夜連続の止水注入が行われたとのことです。