川を赤く染めているディープウェル排水2012/08/14

ディープウェル排水が赤水となって、川を赤く染めています。

地下水に含まれた鉄イオン(溶解性鉄)が空気に触れて酸化され、赤色の水酸化第二鉄となって沈殿・付着したものです。

鉄自体に毒性はありませんが、水生生物の生存環境に与える影響が皆無とは思えません。

川底や堤防が赤く汚れますので、景観を損ねることにもなります。

すべての排水が赤水になるわけではありませんが、地下水位低下工法を採用する場合には、排水の放流先を確保すると共に、水質によっては赤水対策を講じることが必要となります。

止水工法による完全締切で、地下水をタマリ水状態にし、排水量を最小限に抑えることも有効な対策です。

井戸公式の間違い?2008/12/22

「井戸公式が異なっているが、どちらが正しいのか?」という問い合わせが忘れた頃にやってくる。

不圧井戸公式の場合は、以下の通りである。( 記号説明は省略する )

表記方法1 Q = π×K×( H×H - h×h ) ÷ ln ( R÷r )

表記方法2 Q = π×K×( H×H - h×h ) ÷ { 2.3×log ( R÷r ) }

分子は同じだが、分母が違うというのである。

答えは、どちらも「正しい」である。

ln は底を e とする自然対数、log は 底を 10 とする常用対数を表している。

試しに、「底の変換公式」でチェックしてみる。

ln X = log X ÷ log e

= log X ÷ 0.434294481....

= 2.3 × log X

X = ( R÷r ) を代入すると、

ln ( R÷r ) = 2.3 × log ( R÷r )

となる。

自然対数は Natural Logarithm 、常用対数は Common logarith であり、ln は Natural Logarithm の頭文字をとっているのかも・・・。

ディープウェル引抜工2008/11/02

ディープウェル引抜状況です。

多くのディープウェル引抜工はバイブロハンマ工法で、計画し、積算されている。

バイブロハンマの仕様は「60KW」である。

私は経験的にφ0.6mの場合、深度20m程度が限界と考えている。

勿論、土質、運転期間などによって条件は異なると思うが・・・。

以下、φ0.6m×24.0mをモデルとして定量的に検討してみる。

■検討条件

ディープウェル口径  D=0.6m
ディープウェル深度  GL-24.0m
地下水位       GL-2.0m
土の湿潤単位体積重量 γt=1.8t/m3
土の水中単位体積重量  γ'=0.9t/m3
静止土圧係数      K0=0.4(密な砂)*
鋼管とフィルタ砂利の摩擦係数 Cf=0.2*
バイブロハンマ(60KW)の起振力 T=48.7t:FM2-80(トーメック)
(*)の数値は「伊藤教授の土質力学講座」より引用した。

伊藤教授の土質力学講座 
http://www.con-pro.net/readings/soil/index.html

■ディープウェルに作用する静止土圧

算定式 p = γt(γ')×H×K0 H:深度

GL 0.0m : p0=0t/m2
GL- 2.0m : p1=1.8t/m3×2.0m×0.4=1.44t/m2
GL-20.0m : p2=(1.8t/m3×2.0m+0.9t/m3×22.0m)×0.4=9.36t/m2

■ディープウェルに作用する静止土圧の合力

算定式 P = D×π×L×p L:鋼管長

P1 = 0.6m×π×2.0m×(0t/m2+1.44t/m2)÷2=2.71t
P2 = 0.6m×π×22.0m×(1.44t/m2+9.36t/m2)÷2=223.82t
P = P1+P2=2.71t+223.82t=226.53t

■所要引抜力(摩擦力)の算出

算定式 F = P×Cf

F = 226.53t×0.2 = 45.31t

■判定

バイブロハンマ引抜力(T=48.7t) > 所要引抜力(F=45.3t) となり計算上はディープウェルの引抜が可能となる。
ただし、鋼管の溶接接続部が引抜力F=45.31tによって破断しないことが必須条件となる。

やはり、ディープウェル口径がφ0.6mの場合、バイブロハンマ工法による引抜可能深度は20m程度が限界のようである。
なお、バイブロハンマの引抜力には十分な余裕を持たせる事が必要である。

このような、検討を行わず、バイブロハンマ工法による引抜工を計画し、積算している事例がある。

ディープウェル鋼管を埋殺にできない場合、他の引抜き工法を採用することになり、多額の金額変更(増額)を伴う設計変更となるだろう。

極めて無責任な計画である。